ITの仕事に就いて、早いもので気づけば30年以上が経ってしまった。
若いころは勢いと若さと体力だけでなんとか凌いできたが、そろそろ何か形に残した方がいいのではないか。そんなふうに考えるようになった。
一時は技術系の資格試験を受けることを検討したこともあった。
だが、よくよく考えると、あれはあくまで『知識があることを証明するためのもの』であって、『即戦力になるということを証明するためのもの』ではない。
そう考えると今の自分にとって優先すべきタスクではないと感じた…
思い返せば、C/S(クライアント・サーバ)システムからWebアプリ開発へと時代が移り変わる中で、アプリ開発者に求められる知識と作業量は確実に増えていった。
あの頃は、主要言語とSQL、あとはドメイン知識を押さえていれば十分やっていけた。
しかしWebアプリ開発の時代になってからは、話が変わった。
言語もフレームワークもフロントとバックでそれぞれ別。
クラウドの登場でインフラ領域にも踏み込まざるを得なくなり、さらにSOLIDやDDD、クリーンアーキテクチャなど『整理されたコードを書くための概念』まで取り入れなければならなくなった。
もはやアプリ屋は「なんでもできる専門職」でなければ務まらない時代になっている。
あの時代を経験したからこそ思う。
今からこの業界に入ってくる若い人たちは本当に大変だと思う。
一から覚えなければならない知識が山のようにあるのだから。
だからこそ、これからのアプリ屋は真の意味で専門知識を身につけた人たちだけが生き残れる厳しい世界になるのだと思う。
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